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Slic3rの設定についてまとめてます。Slic3rの日本語版が見当たらなかったので、使い方をまとめました。 最近はC#のメモ帳代わりになってます。

Slic3r | Retraction / 退避設定

退避設定は、Printer Settingsタブの3Dプリンター,Slic3r,設定,方法,Repetier,使い方,Printer settings,RetractionExtruderを選択し、下の画面を表示します。
3Dプリンター,Slic3r,設定,方法,Repetier,使い方,Printer Settings,Extruder,Retraction
この画面のRetraction のグループでは、次の項目の設定が可能です。

Retraction:退避設定



Lenght

フィラメントの引き込み量をmmで設定します。

入力例

1

参考

ノズルの退避と同じタイミングで引き込まれるフィラメントの長さをmmで設定します。

フィラメントを引き込まない場合、ノズル先端部に残ったフィラメントが溶けて染み出て来る場合があります。そのような場合、フィラメントを引き込んで、染み出るのを防止します。但し、引き込み過ぎると、フィラメントが押し出し機から完全に抜けてしまいそれ以降、押し出しても押出し機内で引っかかって出て来ない事があります。押出し機から抜けない量を設定する必要が有ります。1mm~5mm程度であれば抜ける問題は無いと思います。

Lift Z

ノズルの退避量をmmで設定します。0を入力した場合、退避しません。

入力例

5

参考

パスの切れ目でのY軸方向の退避量を設定します。

この入力項目に0より大きい値を入力するとパスの切れ目でY軸方向に退避します。
微小な領域のパスの切れ目でもY軸方向に退避しますので、造形時間が長くなります。
そこで、Y軸退避が行われる条件の設定が幾つかあります。

この設定項目と同じグループ内では、
Minimum travel after retraction
Retract on layer change
があります。

また、InfillのAdvancedグループ内の
Only retract when crossing perimeters
も退避のタイミングに関する設定です。

退避動作の際に、押出し切れていないフィラメントが糸を引きながらノズルが上昇します。
退避量が短いと、糸を引いたままノズルが次の開始点まで移動する為、ヒゲの発生原因になります。十分な退避量を設定すると、ノズル退避中に糸状のフィラメントが切れます。この切れた糸状の部分を、次の積層の際に造形物の内側に入れることが出来れば、完成時にヒゲが目立たなくなります。ヒゲを造形物に内側に入れるためには、External perimeters firstをオン✔にすると、良い傾向になるようです。

この設定項目は、ヒゲの抑制に対して効果的な設定項目です。
    
この設定項目を5,10,20と変化させた場合次のようになります。
(水色の線がノズルの軌跡を示しています。)

  • Lift Z 5



  • Lift Z 10



  • Lift Z 20




Speed

ノズルの退避速度をmm/sで設定します。

入力例

30

参考

ノズルの退避速度です。遅い速度を設定すると、退避動作が完了するまでの時間が伸びるため、造形が完了するまでの時間が伸びます。
ヒゲの抑制の為に、Lift Zと合わせて調整しています。

Extra length on restart

Lengthの設定で引き込んだフィラメントの長さに対して、押出しを開始する際に引き込んだ長さ以上に吐出する場合、その長さをmmで設定します。

入力例

0

参考

引き込んだ量以上に押し出す場合0より大きい値を設定します。
 
引き込みを行った場合、引き込んだ量と同じ長さ分押し出しても、フィラメントの先端が同じ位置に戻らない場合が有ります。同じ位置に戻らないと、押出しを再開し始めた部分では、フィラメントが吐出されず、綺麗に造形出来ない場合があります。そのような場合にこの設定項目を調整します。

Minimum travel after retraction

ノズル退避後の最少移動量をmmで設定します。

入力例

5

参考

ノズルが退避した際に移動する最少の長さを設定します。
ここで設定した長さ未満の移動が行われる場所では、ノズルの退避が行われません。

この入力項目を5,15と変化させた場合次の様になります。

  • Minimum travel after retraction 5



  • Minimum travel after retraction 15


5と設定した場合にに比べ、15と設定した場合には、退避動作の回数が少なくなります。

Retract on layer change

積層レイヤーが切り替わる際に退避動作を行う設定です。

入力例

積層レイヤーの切り替わりで退避動作を行わない
積層レイヤーの切り替わりで退避動作を行う

参考

積層レイヤーの切り替わりでノズルを退避させるか否かの設定です。退避動作は Lenght , Lift Z 等の設定に従います。

Wipe while retracting

退避前にWipe(拭う)動作を行う設定です。

入力例

退避前にWipe(拭う)動作を行わない
退避前にWipe(拭う)動作を行う

参考

退避動作前にフィラメントを押し出さずに、造形済みパスをなぞる動作の行う設定です。
下の動画の前半で、2つの造形物間(両太ももの造形)でWipe(拭う)動作を行っています。


私の造形環境では、この動作を行うと造形済みで冷え固まったフィラメントを、ノズル先端の熱で溶かしてしまい糸引きが発生していました。offで使用しています。


 
 


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